Raal's Tome of Destruction

主にroguelikeのことを書くブログです

★武器のデザインを考察する

この記事はRoguelike Advent Calendar 202110日目の記事です。


変愚蛮怒に固定アーティファクトを追加/調整するとき注意するポイントがある。
ここでは武器に絞って普段考えていることを明文化してみたい。

目標

メンテナ間で擦り合わせたわけじゃないのであくまで私が目指しているゴール、望ましい状態について。

・存在する固定アーティファクトの可能な限り多くのものに活躍する機会を与える
・特定のゲームプレイ一回で装備を更新する機会を最大化する
・毎回新鮮なゲーム体験を与えるため、装備入手を十分ランダムにする

武器は数が足りてるのでそれなりに良い状態。序盤用アーティファクトがエゴアイテムに活躍機会を奪われすぎな点は調整の余地あり。
他の部位が最終装備のバリエーションに乏しいことに比べると頑張っている方ではある。

打点調整

順次強い武器に更新していくことが望ましいので、大雑把に威力で括って出現階層あたりの打点を揃えている。
あまり細かく考えても仕方ないので、大体この程度の目安で調整している。

~30F 対邪30点
~50F 対邪45点
~100F 対邪60点

60点を越える大業物はレア度や階層の設定を慎重にしてゲーム中に増えすぎないよう注意している。
逆に武器性能が低いものはすぐ出番がなくなるためしっかり序盤に出るように調整する。

スレイ/ブランド

特定の敵にだけ強い効果はゲームバランスを壊しにくいので、超汎用の邪悪スレイ以外はどんぶり勘定。
いっぱいスレイングを盛っても元の打点が壊れてなければ大変なことにはなりにくい。
ただし序盤の元素属性攻撃はかなり通りが良いので、通る前提で打点調整する必要がある。

確率ドロップ

通常より獲得機会を簡単に増やせて、撃破難易度から入手時期をある程度絞れる。
開発視点だと便利なギミックだが、やりすぎるとゲーム進行が単調になる。
単純に強い装備よりも癖の強い装備向け。★ストームブリンガーとか。

固定クエスト報酬

報酬として魅力的に、でも強すぎると他の武器の活躍の機会を奪うのでほどほどに。調整はとても難しい。
古い城の報酬はゲームへの影響が甚大で、どう調整してもありがたいご意見をたくさんいただくことになる。
宝物庫とか現状のバランスにあんまりあってないけど改修コストがでかくて辛い。

耐性/ステータス上昇

あくまで武器ということで、耐性やステータスの上昇は控え目にすることが多い。
フレーバー的要望からこれらを盛るときは打点を控え目にするか、諦めて高レアリティに設定する。

攻撃回数増加

非常に強力な能力なので取扱注意。打点を実測して問題がないか必ず確認する。
★アグララングより打点が出るようなら威力かレアリティを精査する必要がある。

武器重量

軽い武器、重い武器それぞれにメリットがあるのでフレーバー優先で重量を設定することが多い。
微調整するのは盗賊の攻撃回数ボーナスを乗せるかどうか、両手持ちを許可するか否かのライン。
あとは二刀流に向いていて軽い物品は強力になりやすいので実測して想定通りの性能か確認する。
クリティカル関連の調整は大変なので超重量の武器はよほどでなければ作成しない(一敗)。

ダイス数/ダイス面の増加

XdYの数値をベース武器から変更するときの注意。
この値は武器の形状、性質に由来するものなので元の値から変更することにはそれなりの理由が必要となる。
特にYの値の上昇は通常ありえないサイズの武器の表現に使うべきで、なんとなくで濫用するべきではない。
威力を上げたいだけなら殺戮修正か、やるにしてもダイス数Xの方で。

フレーバー/原作再現

ごった煮バリアントだからこそ、個々の物品のそれっぽさは大事。なるべくそれっぽくなるよう努力する。
歴史的経緯でよくわからん物品に溢れている変愚蛮怒だが、自分で手を入れるところくらいはそれっぽく仕上げたい。


以上、だらだらと普段気にしているポイントを列挙してみた。
新しく固定アーティファクトを提案するときにはこの辺のポイントを押さえていると通りやすいかもしれない。



明日はRoguelike Advent Calendar 2021の11日目、ベッキー42号氏で「○○○○を失った話」の予定です。